仏の顔も三度
温厚な人でも、何度も酷い仕打ちにあうと怒り出すという事
――――――――――――――――――――――ある日の朝。
総司:斎藤さん、隙ありっ!
―バシッ!
斎藤:沖田さんか
総司:(にやにや……)斎藤さんっ!
―ビシッ!
斎藤:沖田さん、痛いんだが……
総司:(ふふふ……)斎藤さん……
―ドスっ!
斎藤:また沖田さんか……(やれやれ)
総司:(どきどき)斎藤さんっ♪
―ぺしっ!
斎藤:(この男は何をやりたいんだ?)
―以下、延々と繰り返される
―その日の夕餉。
総司:山南さん、仏の顔も三度ってあれ嘘でした
山南:どういうことだい?
総司:斎藤さんを何度も打ってみたんですけど、怒らなかったですから
山南:そ、そうか……(それは、最初から相手にされてないんだよ、総司……)
―同時刻、縁の下にて
斎藤:(俺は仏ですらないんだが……)
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