ごめんなさい神谷さん。
 あなたをまた、泣かせてしまった。
 
 あなたが、あんまり綺麗になっていくものだから……。
 他の人にとられやしないかと、不安になったんです。
 みんなはあなたを男だと思っている。それでも、不安ですよ。
 
 私が、女子を捨てなさい、と言ったのはね。
 あなたが私の傍に居なくなるのがつらいからですよ。
 女子になれば、いつか必ず私の傍から居なくなるでしょう?
 
 あなたが、武士のままなら傍に居てくれる……。
 だから男になれ、武士になれって、言ってしまうんです。
 ごめんなさい。

 あなたを女子として愛していながら、何て勝手なんでしょう。
 
 神谷さん。
 あなたに、「愛しています」って言えたらいいのですけど。
 そんな事言われても、困っちゃいますよね?
 私はあなたにはいつも笑っていてほしいから。
 困らせたくないから、言いません。